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アサーションで変わる上司への報告:建設的な伝え方と具体的な会話例

Tags: アサーション, 職場, 報告, コミュニケーション, 会話例

上司への報告や状況共有は、日々の業務を円滑に進める上で欠かせない要素です。しかし、どのように伝えればよいか迷ったり、緊張してしまったりすることもあるかもしれません。特に、悪い知らせや遅延の報告は、伝え方に一層気を遣う場面です。

ここでは、アサーションの考え方を取り入れることで、上司への報告や状況共有をより建設的かつスムーズに行う方法をご紹介します。自分の状況や考えを正確に伝えつつ、上司との良好な関係を維持するための具体的な会話例を見ていきましょう。

なぜ上司への報告にアサーションが役立つのか

アサーションとは、「相手を尊重しつつ、自分の気持ちや考え、要求を率直かつ誠実に伝える自己表現」のことです。上司への報告においてアサーションを活用することは、以下のような点で有効です。

それでは、具体的なシーンごとの会話例を見ていきましょう。

シーン別:上司への報告・状況共有アサーション会話例

シーン1:順調な進捗報告

定例報告や、担当している業務が計画通りに進んでいる場合の報告です。単に「順調です」だけでなく、具体的な状況を含めて伝えることで、上司は状況を正確に把握しやすくなります。

ポイント: 「いつ」「何が」「どうなったか」を具体的に伝えます。懸念点や難しい部分をどのようにクリアしたかなどを付け加えると、さらに状況が伝わりやすくなります。今後の予定に触れることで、業務全体の流れを共有できます。

シーン2:遅延が発生している場合の報告

計画通りに進んでいない場合や、期日に間に合わない可能性がある場合の報告は特に伝え方が重要です。遅延の事実だけでなく、その理由、現在の状況、そして今後の見込みや必要なサポートを具体的に伝えることが、アサーションの鍵となります。

ポイント: 遅延の事実を正直に、しかし落ち着いて伝えます。遅延の理由(何が起きたか)と現在の具体的な状況を明確に示します。今後の見込み(いつまでにできそうか)を伝えます。そして、自分の要望(期日延長)や必要なサポート(手伝ってほしいことなど)を具体的に伝えます。感情的にならず、事実と解決策に焦点を当てることが重要です。

シーン3:問題発生時の報告

業務遂行中に予期せぬ問題が発生した場合の報告です。パニックにならず、状況を整理して伝えることが求められます。

ポイント: 何が起きたか(問題の内容)、具体的な状況(いつ、どこで、どのような症状か)、現状の対応、そして今後の対応についてどうすべきか(指示を仰ぐ)を簡潔に伝えます。自分の推測や感情を事実と区別して伝えることが重要です。

シーン4:軽微な状況共有・確認

日々の業務の中で、上司に「念のため伝えておきたいこと」や「ちょっとした確認をしたいこと」がある場合にも、アサーションの考え方が役立ちます。忙しい上司に配慮しつつ、簡潔に情報を伝えることが大切です。

ポイント: 結論や最も伝えたいことから先に述べます(例:「△△社の山田様からお電話がありました」)。続いて、その内容を具体的に伝えます。自分が現在どのように対応しているのか、あるいは今後どう対応するつもりなのかを簡潔に述べると、上司は追加の指示が必要か判断しやすくなります。

アサーションを使った上司への報告のポイント

まとめ

上司への報告や状況共有においてアサーションを意識することは、自身の状況を正確に伝え、必要な協力を得ながら業務を円滑に進めるために非常に有効です。特に、困難な状況の報告であっても、事実を誠実に伝え、解決に向けた姿勢を示すことで、上司との信頼関係をより強固にすることができます。

今回ご紹介した会話例を参考に、日々の報告の中でアサーションを実践してみてください。慣れてくると、上司への報告に対する苦手意識が軽減され、より自信を持ってコミュニケーションできるようになるはずです。